高齢になっても自立して暮らしていけるのは大変重要なことです。高齢になってからあるいは将来に備えてのトイレリフォームを検討する場合、特にトイレというのは自分でできることが本人の自尊心の維持につながり、介護するものの負担の軽減にもつながるということを根本においておく必要があります。入浴は必ずしも毎日でなくとも、トイレは一日に何度も行く場所です。高齢になればなるほど頻繁になりますので、寝室のドア一枚あければトイレというのが理想的になります。
どうしても寝室から離れた場所にしかトイレを設置できない場合には、トイレのそばに寝室を移動させるというような柔軟な考えも必要です。トイレリフォームを行うのであれば、介護者も一緒に入れるような充分な広さを確保しておきます。トイレは4分の3坪程度は必要で省スペースを実現したタンクレスのものへのトイレリフォームなら、広さも確保できますし、洗浄や蓋の開閉などフルオートでできて臭いを抑制するタイプのものなら、使い勝手もよく寝室のそばにおいても臭いなどを気にする必要がなくなります。また、開口部も引き戸にしておけば、車いすになっても後ろへ下がる必要がなく開けることが可能です。
こうして健康なうちにトイレリフォームもおこない、最低限の手すりだけ設けておけば、後に体が不自由になった時に必要な手すりが付けられますし、福祉用具や補助具でかなり補うことができます。そして、省エネ化の進んでいない住宅では、ヒートショックを避けるためにも、トイレは24時間暖房を基本にオイル式パネルヒーターを取り付けるなどの工夫が必要です。